Tatebanko is a forgotten Japanese art of creating amazing dioramas and scenic perspective from paper.
tebanko was popular and widely admired from the Edo period ( 17th century ) to the early 20th century.
Then it all but disappeared.


立版古(たてばんこ)、「たてはんこ」ともいう。江戸時代に錦絵のなかの「おもちゃ絵」のひとつとして広く楽しまれたもの。
「立てる版古(錦絵)」という名の通り、錦絵を切って組立てて楽しむものだが、組み上げた時の想像以上の立体感、パノラマ感の驚き、楽しさはまさに立版古ならでは。多くは歌舞伎の芝居、舞台をミニチュア化したものであったり、風景、名所、風物などを模写したものなどが多かったようで、かつては千種類以上のものがつくられていたのではないかとも言われている。そんな立版古も何故か20世紀初頭、大正時代あたりを最後にほぼ消えていってしまう。
盛んに親しまれていた江戸時代からのものも、現存するものは非常に少なく、まさに幻の存在となってしまった。

* 立版古は、実は「夏の季語」にもなっているように、かつては夏の風物詩のひとつであった。 それは、起源が「盆の灯籠」が玩具化したものであったためで、元来は夏の盆の頃に、苦心して組立てた立版古を夕涼みにあわせて軒先に飾り、灯籠のように火で照らして道行く人々に見せていたようである。 そのために、「切組灯籠」「組み上げ灯籠」などとも呼ばれていた。 ただ、同時に「ひと夏の季節もの」とも捉えられており、組立てた後の保存の困難なこととあわせて、基本的には捨てられてしまっていたために現在まで残っていないとされる。


現在ペーパークラフトとして親しまれている優れた立体モデルに比べて、立版古の面白さは、その「単純さに反しての視覚効果」や「誇張されたパース」といった不思議さ、面白さにあると思われ、基本は舞台の「書き割り」に近い視覚効果で出来上がっている。
また組立てられないままの原紙、原判として残されているもののもつ「パーツ配置、デザイン」などの独特の「グラフィック」を眺めるのも立版古の大きな楽しみのひとつ。
当時のものを見る機会は限られてしまうが、現在でもコレクター、研究者などの手元に残る貴重な物を、複製組立てして展覧会、書籍などでわずかに見ることが出来る。
ここでは、立版古をはじめ、江戸庶民文化の研究である、肥田晧三氏のコレクションより何点かを掲載させていただくこととする。
(* tatebanko.comでは、これらオリジナルの復刻も計画中です)


Tatebanko.comでは、このように幻となってしまった立版古の魅力、面白さを引き継ぎつつも、元来の錦絵にとどまらずにあらゆるモチーフ、作品等の「立版古」化にトライして、往事の「立版古師」たちの遊び心を現代に蘇らせる事を目標にして企画をすすめてきたく思っています。
Tatebanko.com has now revived and preserved this beautiful and simple Japanese artb whilst reinterpreting it for our times.
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